2026/6/11
葛城侑馬という建築家|僧侶であり設計者である理由
建築デザイン事務所FOYMA(フォイマ)を主宰するのは、葛城侑馬(かつらぎ ゆうま)です。設計を生業としながら、修験道発祥の地・金剛山転法輪寺で育った僧侶でもある——一見すると遠く離れたふたつの世界が、ひとりの人物の中で結ばれています。なぜ寺院建築と現代和風の設計に向き合うのか。その理由は、この経歴そのものにあります。
葛城侑馬の原点は、大阪と奈良の境にそびえる金剛山にあります。山上に建つ転法輪寺は、葛城修験第21番霊場として知られる真言宗の寺院。山岳信仰と祈りの場で育った経験は、空間に対する姿勢の根っこになっています。
寺院は、ただ美しいだけの建物ではありません。手を合わせる人の心が静まり、ふっと整っていく。そうした「空気のはたらき」を肌で知る環境で育ったことが、後の設計観につながっています。葛城侑馬は現在、転法輪寺の運営に住職継承予定として関わりながら、建築家として活動を続けています。祈りの場を知る設計者は、決して多くはありません。この経験こそが、FOYMAが寺院建築を語れる確かな裏づけになっています。
葛城侑馬は近畿大学で造園(ランドスケープ)を専攻し、建物の内側だけでなく、それを取り巻く環境までを一続きの空間として捉える視点を培いました。卒業後は建築設計事務所「KENZO architects & associates」にチーフデザイナーとして約3年間在籍。住宅から店舗、ホテル、クリニックまで、用途の異なる多様な空間を手がけ、現代建築の実務を磨きました。在籍時に参画した案件は、世界的に権威あるiF Design Award 2025に選出されています。
葛城侑馬個人およびFOYMAとしては、Muse Design Award Gold、Global Architecture Awards Silverを受賞。国内にとどまらず、海外の審査基準においても評価を受けてきました。これらの実績は、奇をてらわず、空間の本質と向き合い続けてきた積み重ねの結果です。
FOYMAのタグラインは「FOr You, the MA.(ひとり一人のための間を創造する)」。社名の由来でもある「間(ま)」は、日本の建方や暮らしに古くから根づく考え方です。ものとものの間、光と陰の間、音と静けさの間。余白を整えることで空間に表情が生まれる——これは寺院建築が長く受け継いできた知恵であり、現代和風の住空間や店舗にもそのまま生かせる発想です。
伝統建築の現場感覚と、現代建築の実務。葛城侑馬はそのどちらも知る立場から、両者を「間」という一本の軸で結びます。「空間を整え、心を整える」——これがFOYMAと転法輪寺に共通する、変わらない思想です。
設計者であり僧侶でもある——その二つの視点を併せ持つことが、FOYMAならではの強みだと考えています。建物の形だけでなく、そこに流れる時間や心のありようまでを含めて、空間を設計していく。設計のご相談は、規模や用途を問わずお気軽にお声がけください。寺院建築から現代和風の住空間、店舗インテリア、リノベーションまで、関西を拠点に承っています。
